この記事に辿り着いた人は「30㎞の壁で失速しサブ4を達成できなかった」方が大野ではないでしょうか?30kmあたりから失速は誰しもが経験します。そしてその度に、ネットで検索して解決法を調べてみると「フルマラソンの練習には30km走が必須」みたいな記事がありふれていませんか?
でも誰も辛い距離走なんてやりたくないですよね。もちろん私も距離走が苦手です。しかし、30km走をしなくてもサブ4を連発できるようになりました。
この記事では、月間走行距離100km未満かつ30km走をやらなくてもサブ4を連発している私の練習方法と考え方を紹介します。
方法を紹介する前に、元々速く走れるランナーじゃないのか?と勘違いをされないためにも、私のマラソン自己ベスト(10km, ハーフ, フル)と練習量を紹介します。
ギリギリ、サブ4要件を満たしているランナーということがお分かりいただけましたか?(そして練習量の少なさ…)
30㎞走が必要ない理由
マラソンを走りきるには30㎞走が必要!とよく言われていますが、私の練習は30㎞どころか初サブ4時の練習では最長距離15㎞でした。
その後、サブ4を死守するための練習でも最長距離20㎞程度しかやっていません。
経験値からですが、サブ4するのに30㎞走は必要ありません。その理由を説明していきます。
- 30㎞走は高負荷なトレーニングで身体へのダメージが大きい
- 怪我のリスク
- 高負荷に耐えれる体づくりができていない
- 30㎞走を失敗した時のメンタルへの影響
- サブ4できるスピードを身に付けられていない
身体へのダメージ
30㎞走をやると身体の芯まで回復するのに、約3週間かかるといわれています。
加えて市民ランナーは、仕事もしているので身体の疲労が抜けづらくなっています。
もし仕事の疲れ+30㎞走の疲れがレースまで残ってしまったときに本来の力が発揮できないこともあります。
またサブ4レベルの平均月間走行距離は150㎞と言われている中、1回のランニングで30㎞も走ってしまうとかなりの高負荷となります。その高負荷を回復する力が月間走行距離150㎞(週間30㎞~40㎞)では身についていません。
30㎞走を行うなら高負荷に耐えられる身体づくりを先にしましょう。
怪我のリスク
30km走はかなりの高負荷の練習です。高負荷の練習を行うことで怪我に繋がっていきます。
普段、走りなれていない距離を走ると、後半フォームが必ず崩れていきます。フォームが崩れると、普段荷重がかからない部分に荷重がかかり関節痛などのトラブルを起こします。
一度痛めた部分を元通りにしようとすると、完全復活まで2週間~1か月程度(長いもので数か月)となります。その間、走らない選択ができるでしょうか?(おそらくほとんどの市民ランナーが走るでしょう)
マラソンに耐える脚づくりは30㎞走以外にもあります。怪我のリスクの少ない代替の練習をしましょう。
1度の30㎞走で怪我をして何日も走らないより、距離を短くして継続的な練習をした方が走力は上がります!
メンタルへの影響
30㎞走は目標レースの1~2か月前に行うことが多いかと思います。
設定ペースで走り切れた場合は「やってもよかった!レースへの自信がついた!」となりますがもし失敗した場合はどうでしょう…
「後半失速してしまった」、「レースペースがきつかった」、「あと12㎞大丈夫?」となってしまいませんか?
マラソンは気持ちで走る部分も大きいスポーツです。マイナスイメージを持ったままレースに臨むと不安な気持ちから練習の成果を出せないということも…
1つの失敗体験が当日のレースに対するメンタルを左右しかねません。失敗体験より複数回の成功体験を作ってメンタルケアを!
スピードについて
サブ4をするには最低でも5:40/kmで42.195km走り続けられるスピードが必要です。
しかしサブ4レベルのランナーの多くが、後半の失速を経験しているのではないでしょうか?
つまり5:40/kmで普段走っていたら、後半のペースダウンによりサブ4は達成できません。それよりも速いペースで長く走り続けられる体力と脚力が必要になります。
練習で5:20〜30/km程度は走れるようなスピード感を身につけておくと、前半に貯金ができます。貯金ができれば後半に対象の失速をしてもサブ4は達成できる可能性があります。
30㎞走の代替練習
30km走の代替練習として特におすすめなのが、セット練習です。
私もよく取り入れていて、1日目にロング走、2日目に4〜5km程度のペース走をしています。
セット練習
セット練習とは、2日間連続で負荷をかける練習です。
1日目の疲労を抱えながら、2日目に負荷をかけてスタミナを強化していきます。
方法
- 1日目→ロング走 2日目→スピード練習
- 1日目→スピード練習 2日目→ロング走
長い距離を走る練習とスピードをつける練習を2日間連続で行います。
それぞれの内容は…
- スピード練習はインターバルやレペティションやレースペース走
- ロング走は時間走や距離走
距離や時間は怪我をしない程度に、2日間練習ができるように調整してください。
メリット
- 1回あたりの走行距離が短くていい
- 持久力が鍛えられる
- 疲労を抱えた状態で走る感覚が得られる
- 粘る感覚を身につけられる
デメリット
- 2日連続でやらなければならない(予定が立てづらい)
- 2日目はかなりキツい
- 距離耐性はつかない
20km走に慣れる 2023.1更新
名古屋ウィメンズマラソンで30km走を取り入れなくても自己ベスト更新したときに取り組んだ練習を紹介します。
やり方
目標としている大会の1か月前くらいから数回20km走をしてください。設定タイムはマラソン目標ペースの-10秒程度で走ってください。
20km走の効果
複数回20kmをすることで、ハーフまで距離を苦にならずに走れるようになります。気づいたら20kmだった!くらいの感覚が得られればベストです。
20kmだ怪我をする可能性も30kmより低く回復も早いため複数回練習することが可能です。
30㎞走をやってもいいランナーの特徴
これまで30㎞走は不要と散々書いてきましたが…絶対にやってはいけないということはありません。
- 月間走行距離が200㎞以上の人
- ランニング中に不調が出たら中断できる人
月間走行距離が元々多い人はその分、距離への耐性や身体が強いです。また普段からしっかりと走っているので回復力も高いでしょう。
長距離走は怪我のリスクがあると前述しました。もし30㎞走中に脚や身体の痛みなどの不調が出たときはすぐに中止しましょう。
怪我なくサブ4するためには練習を工夫しよう
マラソンの定番練習である30km走ですが、怪我のリスクの高くサブ4以下のランナーにはあまりお勧めできません。練習方法を工夫して怪我なく継続的に練習ができたら、サブ4も夢ではありません。