ウルトラマラソン界の東の横綱「星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン」
42km、68km、100kmと3部門に分かれておりウルトラ初心者から玄人まで参加できる大会です。そのなかでも100kmは「野辺山を制するものはウルトラを制す」と言われるほど難易度が高いコース設定です。
今回、100kmの部に参加してきましたので会場の雰囲気やコース、エイドについてレビューしていきます。
星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン
概要
開催日:2024/5/19(日) 例年5月第3日曜日に開催
スタート・ゴール:南牧村社会体育館(100kmのみ)
気候:気温は20〜25℃
標高1,300mのためスタート時は寒いことで有名です。(例年10℃前後)しかし、昼頃になると気温は20〜25℃前後まで上がり寒暖差が激しいです。
開催年 | 最高気温 | 最低気温 |
2021 | 15.8 ℃ | 10.2 ℃ |
2022 | 19.6 ℃ | 1.1 ℃ |
2023 | 15.3 ℃ | 10.3 ℃ |
距離:42km、68km、100km
制限時間:42km:6時間30分、68km:10時間15分、100km:14時間(途中関門あり)
スタート・ゴール会場
100kmのスタート・ゴール会場は南牧村社会体育館です。
スタート
トイレ
南牧村社会体育館の向かいの空き地に仮設トイレが設置されています。スタート地点の仮設トイレの数は多くフルマラソンの大会より混雑していない印象でした。
手荷物預け・更衣室
体育館内が更衣室となっています。荷物預けはなく体育館内にゼッケン下一桁ごとに荷物を置く場所が決められていました。ゼッケンの袋の中に、手荷物預けのタグが同封されています。
整列ブロック
スタート15〜20分前くらいから案内があります。順次スタート前に並んでください。ブロックごとに案内があるので案内があったら並びましょう。
100km①, 42km, 68km→100km②の順でスタートでした。15分差でスタートします。
ゴール会場
ゴール後の流れ
- 完走メダル受け取り
- 計測タグの返却
- 給食
- 更衣、荷物の受け取り(預けた人のみ)
完走賞は完走メダルのみです。(参加賞のTシャツは事前発送で送られてきます。)
ゴール後は計測タグをボランティアの方が切ってくれます。返却後は給食としてレタス味噌汁が振舞われていました。
ラスト3kmあたりから雨に降られ冷えた身体に、温かい味噌汁が沁みました!スタート・ゴール地点もコンパクトにできててゴール後も長い距離歩かなくていいのが嬉しいポイントでした。
ゴール後の着替え
荷物をおいた体育館で更衣になります。体育館内で着替えのため冷えを感じることはなさそうでした。(外は日が暮れると寒かったです)
今回は、宿泊場所を会場から徒歩圏内にとっていたため会場で着替えることはありませんでした。そのため更衣室の様子は分かりません。
アクセス
野辺山駅から徒歩3分程度。
駐車場は会場から徒歩圏内にある「野辺山総合グラウンド」とシャトルバスで所要時間10分の「南牧南小学校」の2ヶ所があります。
また東京・新宿からは直行バスが出ています。(公式サイトで確認)
コース&エイド情報
コース解説
本記事のコース解説は100kmの部のものです。
スタート〜42km(八峰の湯)
スタートから5kmはフラット〜緩やかな登りです。途中、踏切があり例年踏切待ちがあったみたいですが、2024年はスタート時間が5分早まったおかげで?どの踏切も引っかかることなく通過できました。
5kmを過ぎると急に上り坂がキツくなり、さらにロードのマラソン大会にかかわらず砂利道の突入します。砂利道は25km付近まで続きます。5〜17kmまでは登りでコース最高地点の1908mまで標高もUpします。17km以降は高低表では降りに見えますが、下り基調でありながらしっかりと登りもあるコースです。
25kmを過ぎると砂利道はなくなり、アスファルトになって走りやすくはなります。緩やかな登りと降りを繰り返し八峰の湯(42km地点)まで降ります。38〜42km付近では芝生道になり再び不整地を走る事になります。
不整地でのランニングに慣れていなかったので、砂利道で3回ほど足首を捻りました。レース序盤なので気をつけて走りましょう。
42km〜70km
42〜50kmは引き続き緩やかな下りになります。野辺山ウルトラマラソンの中では走りやすい区間です。
50km地点のエイドを超えると徐々に登り基調になりますが、走れない斜度ではないため余裕があれば走った方がいいでしょう。
55〜63kmは唯一のスライド区間です。ランナー同志のふれあいが最も多くなる区間で声掛けで元気がもらえます。折り返しまでが登りなので、帰路は下りで気分的に楽に走ることができます。
この区間はどこもきつい坂はなくどれも走れるレベルの坂です。疲労が溜まってくる時間帯なので歩きと走りを混ぜながら走ってもOK。
65〜70kmは馬越峠に向けて徐々に坂が急になってきます。馬越峠に入った?と錯覚しますが峠は70kmを超えてから…
68kmの部のゴールを横目に100kmは走り続けるので、少しだけメンタルにきます。この区間は比較的走りやすいコースでした。
70〜87km
70〜87kmは馬越峠の区間です。序盤の登りは比較的走れるような坂です。徐々に標高が上がってくると傾斜がきついと思う区間もあり、70km走ってきた足には走るのが難しいなと思うようなところもあります。
馬越峠の頂上が79km地点の第5関門です。関門を越えると一気に下りに転じます。約2〜3km激下りです。ここで頑張り過ぎると最後の10kmで足がなくなるかも…
83km付近からは緩やかな下りになります。87kmの最終関門まで緩やかに下っていくので力を抜いて足を動かしましょう。ここでなるべく最後の10kmの登りに備えて少しでも貯金するといいでしょう。
馬越峠の関門は関門閉鎖30分前くらいまでに通過するとギリギリ完走が狙えると思います。
87km〜ゴール
最終関門を越えると約3kmはほぼフラットな区間に入ります。90kmからゴール付近の97kmまで直線の長い緩やかな登りが続きます。97km地点でゴールに近づきますが距離調整でまたゴール地点から離れていくときは若干メンタルにきます。
注意点としては、最終関門を制限時間内に通過しても気を抜かないことです。登り区間が長いため、たった13kmでも時間がかかります。ある程度、歩きと走りを織り交ぜて進むことをおすすめします。
90km地点を残り1時間半で通過しましたが、歩いたり走ったりを繰り返しても14時間ギリギリでした。気を抜くと制限時間内にゴールできません!
エイド情報
野辺山ウルトラマラソンでは約5kmごとにエイドが設定されています。一部のエイドで提供されたものを紹介します。
野辺山ウルトラマラソンの名物は50km地点の手打ちそば!その場で蕎麦を打って切って茹でています。美味しいそばが食べられるので並んででもご賞味ください!
いいところと悪いところ
参加してみてわかった野辺山高原ウルトラマラソンのいいところと悪いところを解説します。
いいところ
- エイドが充実
- 景色に飽きない
- レース中に温泉に入れる
エイドが充実
公式エイドだけではなく、街の人たちによる私設エイドがあります。特に公式エイドでは、予告されていたものが売り切れていても代わりのものが用意されていました。
エイドの内容もおにぎりやフルーツ、パン、塩タブレットはもちろんのことゼリーやお好み焼き、プリンなど変わり種もありました。
景色に飽きない
序盤はレタス畑や鉄道路線や周囲の山々を見ながら走ることができます。その後、林道→市街地→峠と足を進めるたびに景色が目まぐるしく変わっていきます。
山に入ると木の隙間から見える景色は絶景で疲れを癒すことができます。
レース中に温泉に入れる
レース中ランナーは3ヶ所の温泉に無料で入ることができます。制限時間に余裕がありかつ野辺山の常連のランナーで入る方はいるそうです。
42km部門を選択すると、ゴールが温泉になっているので完走後、温泉に入ってからスタート会場に戻るランナーも多いそうです。(温泉にも入りたいなら42kmがおすすめ!)
ギリギリのランナーである私は温泉なんて入っている余裕はありませんでした。
悪いところ
- 前半はトイレが少ない(1ヶ所につき2個ずつ)
トイレが少ない
基本的にトイレは公式エイドのみです。基本的に山の中を走るコース設定なので公衆トイレやコンビニはありません。またトイレの個数も2つずつしか設定されていないエイドが多く、68kmまでは42kmや68kmのランナーもいるためトイレは混みがちです。
トイレ待ちは最大15分程ありました。穴場のトイレがあるみたいです。大きめのエイドはトイレの量も多いので穴場です!
ウルトラマラソンの難易度は日本屈指!
累積標高は2,100mと西の横綱である村岡ダブルフルウルトラランニング(参加レビューはこちら)に比べ少ないですが、標高が高く難易度は高い大会です。特にラスト10kmが上り基調かつ最終関門を超えても油断できないコースであるためメンタル的に厳しいウルトラマラソンになっています。
ウルトラ初心者でも挑戦しやすい、42kmや68kmと多くのレベルのランナーが挑戦できるウルトラマラソンでもあります。特に42kmはゴール地点で名物の温泉にも入れるコース設定で楽しみもあります。
景色や達成感などは他の大会では味わえないものなので興味があれば好きな距離で挑戦してみてください。100km完走の達成感は他のウルトラマラソンでは味わえないものがあります。