丹後ウルトラマラソン100kmは、残暑の中、山道や海岸線、歴史的な町並みを走り抜ける過酷な大会です。本記事では、実際に参加した体験をもとに、コースの特徴やエイドステーションの様子、完走を目指すための戦略について詳しく解説していきます。丹後ウルトラマラソンに挑戦したい方は、ぜひ参考にしてください。
丹後ウルトラマラソン
大会概要
- 開催地: 京都府京丹後市
- 開催日程: 2024/9/15(日) 例年9月第3日曜日に開催
- 募集人数: 100km 2,600人,60km 1,400人
- エントリー数(2024年大会): 100km 1,731人,60km 837人
- 制限時間: 100km 14時間,60km 9時間30分
- 費用: フルマラソン¥22,000,ファンラン¥17,500
- エントリー: RUNNET (2024年度は3/1〜7/12)
- スタート&ゴール: 100km スタート&ゴール:アミティ丹後
60km スタート:久美浜浜公園,ゴール:アミティ丹後 - 気候: 過去の気温は以下の通りです。近年の最高気温は30℃を超えており大変気候が厳しくなっています。
開催年 | 最高気温 | 最低気温 |
2021 | 26.7 ℃ | 22.8 ℃ |
2022 | 31.5 ℃ | 24.8 ℃ |
2023 | 34.6 ℃ | 24.6 ℃ |
2024年は雨予報でしたが、ほぼ降らず曇りながらも最高気温は34℃まで上がりました。
スタート・ゴール会場
スタート会場はアミティ丹後で各宿泊地や大会用の駐車場からシャトルバスを使ってアクセスします。
トイレ
スタート会場のトイレは更衣室内とスタートエリアにあります。男女分かれているのでスムーズにトイレを使用することができます。特に女性は参加数が少ないため、フルマラソンよりトイレ待ちが少ないです。
手荷物預け・更衣室
荷物預けは体育館内にゼッケンの下一桁ごとに男女に分かれてエリアが分かれています。荷物にタグをつけて自由に置いていきます。
更衣室は体育館内に設置されていますがあまり広くないため、スタート前は走れる格好で来場する様にしてください。
整列ブロック
ブロックごとに順次放送で召集がかかります。5つのブロックに分かれていたため、こまめに召集がかかります。整列の場所が狭いため、案内に合わせて自分のスタートブロックが呼ばれたら整列する様にしましょう。
ゴール後の流れ
- 完走メダル受け取り
- 計測タグ返却
- 更衣、荷物の受け取り
完走賞はメダルのみです。参加賞は申し込み時期により、Tシャツかタオルです。
丹後ウルトラマラソンのTシャツとタオルは世界遺産シリーズ(富士五湖・飛騨高山と同様)です。
ゴール後の着替え
着替えは建物内でかなり広く室温も適温に保たれており快適に着替えることができます。参加人数に合った部屋の広さになっています。
女子更衣室は2階。完走後は階段の登り降りがきついかも。ただ、広さはしっかりありました。
アクセス
ゴール地点からは各駐車場、宿泊エリアまでシャトルバスがでています。20:00まで随時運行しています。マイクロバスで運行していたので1回に乗れる人数は限られますが、比較的スムーズに乗車できました。
コース&エイド情報
コース解説
本記事のコース解説は100kmの部のものです。
全体的に細かい起伏が多く、フラットが意外と少ないコースです。2つの大きな坂である七竜峠と碇高原の標高はMax420mと他のウルトラマラソンより低いのにも関わらず、若干急であり、さらに気温により走りづらくなってます。
スタート〜30km
序盤は市街地ですが徐々に山道に入っていきます。この山道が若干細かい高低差があり地味に体力が奪われるポイントです。10kmを過ぎると太陽が出てくるため徐々に気温も上がってきます。
久美浜湾をぐるっと1周していきますが、久美浜湾は空気が溜まりやすく気温の上昇と湿気との戦いになります。序盤と変わらず細かい坂が多くフラットを感じにくいコースです。
スタートは真っ暗なのでヘッドライトがあると便利!舗装路ではありますが意外と段差があって危ないです。
30km〜55km
第1関門を抜けると徐々に登りが多いゾーンに入っていきます。35kmからは丹後ウルトラマラソン最初の難関「七竜峠」に突入します。約100mほどの登りですが結構急な坂なのと気温も30℃を超えてくるため走るのが辛くなってきます。
七竜峠の頂上まで行くと急激に下りになりますが下りきらず、細かい起伏があります。5kmかけて150m降ると漁港に出ます。この辺りは全く日陰もなく暑さを直に感じるポイントです。
漁港から先は碇高原に向けて再び山に向かって行くため細かい起伏が増えます。しかし標高は低いため暑さによる身体のダメージが蓄積します。
七竜峠の登りは結構急!普段は走れるであろう坂ですが、暑さで走りにくかったです。
55km〜85km
55km以降は碇高原エリアに突入します。55km〜75kmまで一部下りを含みますが基本登りです。標高420mまで一気に上がっていきます。斜度はあまりありませんが、気温のピークの時間帯もありさらに日陰もないため走り辛く、一番熱中症になるリスクが高いゾーンです。
最高点に第3関門があり、地元中学生が碇高原を登ってきたランナーの足を丁寧にほぐしてくれるエリアがあります。
第3関門を抜けると急激に5kmほど下ります。ここは走れるなら走りましょう。
降ると再び+80mの小さな峠を約5kmかけて超えていきます。碇高原の直後のこの坂がなんといっても辛い!
かけ水ができるポイントも増え、氷も配られるので身体を冷やしながら歩いてでも前に進むことをオススメします!
85km〜ゴール
碇高原が最後の坂道と思いきや85kmから緩やかに登りなが、90〜95kmは急激な登りと下りを繰り返します。95kmまでくると43〜47kmで通過した道に戻ってきてほぼフラットコースとなります。
ゴールが近づいてくると応援も増えて残り5kmが短く感じます。最後の5kmは長い直線も少なく精神的にも走りやすいコースになっています。
エイド情報
丹後ウルトラマラソンはは約4kmごとに給食・給水が設けられています。一部のエイドではおもてなし給食として地元の名産品があります。
おもてなし給食は数量限定で、遅いとスープ類は売り切れてしまいます。
うどんとおにぎりの提供は最高でした!塩味も効いていてエネルギー・塩分補給もできました。
攻略法
実際に丹後ウルトラマラソン100kmを走ってみてわかったコースの攻略法は3つです。
坂対策
暑さ対策
例年レース中は30℃を超えてきます。長時間運動するためには暑さ対策が必須となります。
「真夏のランニングの注意点とおすすめグッズ」に対策をまとめてありますのでぜひ参考にしてください。
私は、エアリズムのタイツとアームスリーブで皮膚の露出を最低限に抑えて、手ぬぐいに氷を入れて首に巻いていました。毎回、かけ水を利用していました。
補給食
エネルギーはエイドの提供分で足りそうですが、とても暑く熱中症気味にもなるため摂食量に個人差が出ます。夏の練習で暑い中でも食べられるものを探しておき、携帯しておくとエネルギー不足にはなりにくいです。
また提供されるスポーツドリンクが後ろの方になればなるほど不足します。水はかろうじて提供されていますので、粉末の経口補水液やスポーツドリンクを持ち運ぶとミネラル不足も回避できます。
友達は麦茶の粉末を持参していました。いい気分転換になったみたいです。
(エイドの麦茶は激薄!)
丹後ウルトラマラソンは、コース上に100円自販機が多く小銭を持って行くと冷たい好きなドリンクを飲むことができます。(エイドの水分はかなりぬるい)
丹後に関しては100円玉をたくさん持って行くことをオススメします!
スポドリの提供は50km以降でやっと供給が間に合ってる感じでした。
私は経口補水液パウダーを水に溶かして常に持ち運んでいました。
いいところと悪いところ
参加してみてわかった丹後ウルトラマラソンのいいところと悪いところを解説します。
いいところ
- 給食が充実
- 山と海と景色が楽しめる
給食が充実
大会側が用意している給食は、お米やうどんの炭水化物が多く最後尾ランナーまでしっかりと給食が残っています。暑い時期のためエイド毎に塩タブレットが置いてあり熱中症対策にはピッタリ!
ところどころフルーツの提供もあるので、気分転換もできます。
丹後ウルトラマラソンは給食が充実しているので、持参する補給食は少なめでもエネルギー不足になりづらいです。
暑くて食べ物が喉を通らない時のために、食べやすいものを持って行くのは必須かも。
山と海と景色が楽しめる
コースは景色の変化に富んでいて、山の中を走っていたと思ったら急に海が現れます。海沿いを走っていたのにいつの間にか峠を超えていたりと走っていて飽きないコース設定です。
今回は、少し天気が悪かったですが峠の下りを走っていたら目の前に海が広がっていてとてもいい景色に出会えました。
悪いところ
- 前半のエイドの供給が追いついてない
- 非常に暑い
前半のエイドの供給が追いついてない
暑さのせいで給水所でランナーの皆さんが身体を冷やしたり、普段より多めの給水でかなり水分の需要が大きくなっています。そのためボランティアの方も頑張ってくれていますが水分の供給が追いついていない状況でした。
またかけ水や氷も需要が大きく後半のランナーには渡っていない状況でした。
また給食も売り切れが多く、暑い中食べることが難しいものばかり残っていました。
今回、ずっとほぼ最後尾付近で走りましたが前半は給水が間に合っていませんでした。お金を持って走ることをおすすめします!100円自販機がたくさんありました。
非常に暑い
大会開催の時期の問題ですが、例年9月の第3週まで暑くレース中の最高気温は35℃まで上がる年もあるくらいです。
暑くて厳しい丹後ウルトラマラソン
暑くて完走率が50%を切ることが多い丹後ウルトラマラソンに参加してきたレビューをお届けしました。
暑く厳しい大会ですが、完走すると他のウルトラマラソン以上の達成感が味わえます。
山、海と景色の移り変わりを楽しむことができるので参加してみてはいかがでしょうか?参加する際には真夏の練習をしっかりとしてください。
ウルトラマラソンの持ち物リスト、おすすめのエナジージェル、おすすめのランニングシューズの紹介もしています。