ランニング中やマラソンの最中に突然足が攣ってしまった経験はありませんか?足攣りはランナーにとって厄介な問題ですが、その原因を正しく理解し、効果的な対策を取ることで、快適なランニングを楽しむことができます。この記事では、足攣りの原因から予防法、そして便利な対策グッズまでを詳しく解説します。
足攣りとは?基本的なメカニズム
足攣りの解説と主な症状
足攣りとは、筋肉が突然不随意に収縮し、緊張が解けずに痛みや不快感を伴う状態を指します。医学的には「筋痙攣(きんけいれん)」とも呼ばれ、特にランニング中や運動後に足の筋肉で頻繁に起こります。
主な症状
- 突発的な筋肉の収縮
ふくらはぎや足の裏など、特定の筋肉が急激に硬直します。 - 痛みや違和感
短時間で収まる場合もありますが、激しい痛みを伴うことが一般的です。 - 筋肉の硬直
攣った部分が硬く盛り上がり、触ると強い緊張を感じます。 - 可動域の制限
足攣りが起きると、筋肉が動かしにくくなり、一時的に走行や歩行が困難になることがあります。
これらの症状は数秒から数分間続くことが多く、適切なケアを行わないと再発のリスクが高まります。足攣りの原因を特定し、予防や対策を講じることが重要です。
ランニング中に起こりやすい理由
マラソンやランニング中に足攣りが起こるのは、運動特有の身体負荷や環境要因が関係しています。以下に、ランニング中に足攣りが発生しやすい主な理由を挙げます。
筋肉の疲労と過負荷
- 長時間のランニングは筋肉を酷使するため、疲労が蓄積します。
- 筋肉が疲労すると、正常な収縮と弛緩のバランスが崩れ、痙攣を引き起こします。

ランニングではふくらはぎや太ももなどで起こりやすいです。
水分と電解質の不足(天候の影響)
- ランニング中は大量の汗をかき、水分やナトリウム、カリウムなどの電解質が失われます。電解質の不足により、筋肉細胞の神経伝達が乱れ、痙攣が起きることがあります。
- 特に暑い日や長距離を走る際にリスクが高まります。
- 高温多湿な環境では発汗が増加し、水分・電解質がより失われやすくなります。
- 寒い環境では、筋肉が硬直しやすく、攣りが起こるリスクが高まります。

暑い日や湿度の高い日、寒くても長距離を走る時は要注意!水分だけではなくミネラルの補給も忘れずに!
運動前の準備不足
- 不十分なウォーミングアップやストレッチ不足は、筋肉の柔軟性を低下させます。
- 準備不足でいきなり高負荷をかけると、筋肉に負担が集中しやすくなります。

マラソン大会では、スタート間にバタバタしがちで十分なウォームアップができない人も多いでしょう。整列時に少しでもストレッチをしましょう。
運動強度やペースの問題
- 無理なペース配分や過剰なインターバルトレーニングが原因で、筋肉に極端なストレスがかかることがあります。
- 初心者ランナーは特に、自分の能力を超えた運動量で足攣りを引き起こす傾向があります。

大会でいつもより速いペースで走ると後半攣りやすくなります。
フォームやシューズの問題
- 不適切なランニングフォームは、特定の筋肉に過剰な負担をかけます。
- サポートが不十分なシューズやサイズの合わない靴を履くと、足に負荷がかかりやすくなります。

十分な筋肉がないのにカーボンシューズを履くなど、走力と合わないシューズを履くと足攣りが起こりやすくなります。
足攣りを防ぐための対策
足攣りは、日々のトレーニング習慣や栄養管理、走り方の工夫によって予防することができます。以下に、ランナーが実践しやすい具体的な対策を紹介します。
トレーニングとコンディショニングの見直し
- ストレッチと柔軟性の強化
運動前後のストレッチを習慣化し、筋肉の柔軟性を保つことで攣りにくくなります。特にふくらはぎ・ハムストリング・足裏のストレッチは重点的にしましょう。 - 筋力トレーニング
筋肉が足りない状態だと攣りやすくなります。体幹や下肢の筋力を高めることで、長時間の走行でも安定したフォームが維持できます。 - ウォーミングアップ・クールダウンの徹底
急な運動は筋肉に過剰なストレスを与えるため、軽いジョグやダイナミックストレッチで体を温めてから走り始めましょう。
栄養と水分・電解質補給
- こまめな水分補給
のどが渇く前に少量ずつこまめに摂取することが基本です。長時間のランニング時にはスポーツドリンクや経口補水液のような電解質入りのドリンクが理想的です。 - ナトリウム・カリウム・マグネシウムの補給
電解質不足は足攣りの大きな要因です。バナナ、トマト、ナッツ類などを日常的に摂取し、レースやロング走の際はサプリや塩タブレットやエナジージェルで補給をしましょう。 - カルシウムとビタミンD
筋肉の収縮をサポートする栄養素です。乳製品や魚類を意識して取り入れましょう。
ランニングフォームと走行スタイルの改善
- 正しいフォームの習得
無理な姿勢や脚への偏った負担は、筋肉の疲労を加速させます。プロの指導を受けるか、動画でセルフチェックを行うと良いでしょう。 - 無理のないペース配分
序盤にオーバーペースで飛ばすと、後半で筋肉が悲鳴をあげて足攣りのリスクが増加します。心拍数や感覚に合わせて走る意識が大切です。
ランニングシューズとギアの見直し
- 適切なサイズとサポート性のあるシューズ選び
足に合わないシューズは筋肉に余分な力を使わせてしまいます。専門店でフィッティングしてもらうのが安心です。 - コンプレッションウェアの活用
筋肉の揺れを抑え、疲労を軽減する着圧ソックスやタイツも足攣り対策に効果的です。
リカバリーの習慣化
- 走行後のストレッチとアイシング
疲労が残った状態で次の運動をすると再発リスクが高まります。クールダウン後のケアを怠らないようにしましょう。 - 睡眠と休息の確保
筋肉の回復は睡眠中に進むため、質の良い睡眠も立派な足攣り対策です。
これらの対策を組み合わせることで、足攣りのリスクを大幅に軽減できます。日々の小さな積み重ねが、安定したパフォーマンスとケガの予防につながるのです。
足攣り対策に役立つグッズ
足攣りを防ぐためには日頃の体調管理やトレーニングが基本ですが、対策グッズを活用することで、より効果的に予防・軽減が可能です。ここではランナーにおすすめの足攣り対策グッズを紹介します。
これらのグッズは「足攣りしやすいタイミング」でピンポイントに活用することで、ランニング中のパフォーマンス維持と安全性向上につながります。自分の体質や走る環境に合わせて、上手に取り入れてみましょう。
電解質補給アイテム
発汗によって失われるナトリウム・カリウム・マグネシウムなどの電解質を手軽に補給できるサプリメントや水だけでなく、電解質や糖質を含んだドリンクでエネルギーと水分を同時に補給しましょう。粉末タイプや個包装のものだと携帯性が高くていいでしょう。
塩ジェル
塩ジェルは発汗によって失われやすいナトリウムを効率的に補給できるため、体内の電解質バランスを保ち、神経や筋肉の働きを安定させることで、ランニング中の足攣りを予防・軽減するのに効果的です。

丹後ウルトラマラソンで軽い熱中症症状が出た時に使用したら、数十分で回復!味も美味しく気持ち悪い中でも食べやすかったです。
マグネシウム入りのエナジージェル
マグネシウム入りのエナジージェルは、筋肉の収縮と神経伝達を正常に保つマグネシウムを手軽に補給でき、ランニング中の電解質バランスの乱れによる足攣りを予防するのに効果的です。【おすすめ】マラソンレース中に使えるエナジージェルの記事内にマグネシウムを含んだジェルを紹介しています。
経口補水液(パウダー)
経口補水液は水分とともにナトリウムやカリウムなどの電解質をバランスよく補給できるため、脱水や電解質不足による筋肉の異常収縮を防ぎ、ランニング中や後の足攣り予防に効果的です。
経口補水液はパウダータイプのものがおすすめです。期限も長く、携帯性抜群!保管するときに場所を取らないのでおすすめです。
その他、塩タブレットも安価な割に効果的ですので持っているといいでしょう。
コンプレッション(着圧)ウェア
ふくらはぎや太ももの筋肉をサポートし、振動や疲労の蓄積を軽減します。足攣りだけでなく、むくみ予防やパフォーマンスの安定にも効果的です。

2XUのコンプレッションタイツが人気!
マッサージ・リカバリーアイテム
筋肉のコリや疲労をほぐすことで攣りの予防につながります。普段から筋肉を柔らかい状態にしておくといいでしょう。
マッサージローラー
マッサージローラーは筋肉の緊張や硬直を緩和し、血流を促進することで疲労物質の排出を助け、筋肉の柔軟性を高めて足攣りの予防や再発防止に効果的です。

レース前日やリカバリーにおすすめです。怪我をしないためにも脚のケアを忘れずに!
マッサージガン

マッサージガンは高速振動によって筋肉の深部まで刺激し、血流促進と筋膜リリースを効率的に行えるため、筋肉の緊張を緩めて柔軟性を高め、足攣りの予防や練習後のリカバリーに効果的です。

私はDOCTOR AIRのマッサージガンを持っています。ランニング後や仕事後にマッサージガンでケアしています。
Mag-onローション
Mag-onローションは経皮吸収によってマグネシウムを皮膚から直接補給できるため、内服では摂取しにくいランニング中や直前でも手軽に使え、筋肉の興奮や過緊張を和らげて収縮をスムーズに保つことで、足攣りの予防や軽減に効果を発揮し、特に発汗量が多い状況やマグネシウム不足が懸念される長時間の運動時において、即効性と持続性のあるケアが期待できるのが特長です。
実際に行った対策
名古屋ウィメンズマラソン2022も当日の気温が16度~24度と急に気温が上昇し、コースの至る所で脚を伸ばしたり、熱中症になったランナーが多かったそうです。
その中でも、私はこれから紹介する対策をすべて行い脚を攣ることなく自己ベストを更新するタイムで完走できました。
ウォーターローディング
ウォーターローディングとは
定期的に水分補給を行い、細胞内外を十分な水分で満たしておくことで運動中の水分不足によるパフォーマンスを防ぐ効果が期待できます。
汗からは水分と同時にミネラルも失われていくため、ミネラルウォータなどミネラルが入っている飲料が最適です。
方法
レース2日前からミネラルを含んだ水分を定期的に1.5〜2L摂取する。
1回の摂取量は150ml〜200mlとし、喉が乾く前に摂取する。
(喉が渇いたと感じた時には既に脱水症状)
おすすめの飲み物は…
- 中硬水のミネラルウォーター
- 経口補水液

私は、硬水が得意ではないので経口補水液OS-1をいつもレース前に飲んでいます。
サプリメント摂取
2Run(ツーラン)
ミネラル成分に特化したサプリメントです。ミネラル不足による脚攣りを防いでくれます。
レース前、レース中に飲むことで、スポーツドリンクの給水だけでは補給しきれないミネラルを効率的に摂取できます。
錠剤が大きいのでレース中に飲みにくいと感じる人は、①起床時、②レース30分前に飲むだけでも脚が攣りにくくなります。
カツサプ
カツサプには筋けいれんを和らげるカツオペプチドが含まれています。筋疲労による脚攣りを防止してくれます。特に脚が疲れてくるレース後半に効果があります。単価は高いですが、その分効果も高いので使用して損はありません。
大会当日朝の食事
普段はおにぎりや大福、カステラを食べることが多いですが、気温が高いことがわかっている時は食事を塩分高めのものに変更します。
塩分の取りすぎは良くないですが、適度な塩分摂取は必要です。
おすすめメニューは…
- うどん
- 餅(醤油)
- にゅうめん
- 塩おにぎり
- 味噌汁
特にうどんやにゅうめんは消化も良く、スープにしっかりと塩分が含まれているので最適です。また同時に炭水化物も摂取できるためエネルギー摂取もでき一石二鳥です。
朝から作るのがめんどくさい!となりますが、冷凍食品にスープ付きのシンプルなうどんもありますので有効活用しましょう!(私はカトキチの88円のうどんを食べました)
足攣り対策をして楽しく走りましょう
マラソンの足攣りのメカニズムと対策を紹介しました。
3月以降のレースは気温も高くなり、脚が攣ることが増え、熱中症も起こしやすくなります。どの対策もレース2日前から当日できるものなので気軽に取り組めると思います。
今回、紹介した対策を施して最高のレースにしましょう。
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